ロッキンホースバレリーナ(大槻ケンヂ)の感想

「18歳で夏でバカ」
この小説はまさにこのキャッチコピー通りの内容です笑

 

「ロッキン・ホース・バレリーナ」は筋肉少女帯や特撮のヴォーカルを務めているオーケンこと大槻ケンヂさんの小説です。
大槻ケンヂさんは小説やエッセイを何冊も書いているんですが、「ロッキン・ホース・バレリーナ」は大槻ケンヂさんの小説の中で個人的に一番好きな作品でもあります。
(エッセイはものすごく面白いんですが小説は「ゔっ・・・!」となるものが多いので・・・汗)

 

「ロッキン・ホース・バレリーナ」はバンドマンの大槻ケンヂさんが書いているというだけあって、この小説を読めばバンドの事がよくわかると思います。
少々マニアックな部分もありますが、知らなくても面白く読めてしまうはずです。

 

この小説のタイトルのロッキンホースバレリーナとはイギリスのファッションブランド、ヴィヴィアン・ウエストウッドのシューズの事ですね。
表紙に描かれているのがこのロッキンホースバレリーナを履いたバンギャ(ヴィジュアル系バンド好きの女の子)のゴスロリ少女、七曲町子です。

 

インディーズの青春パンクバンド「野原」のヴォーカルをやっている主人公の耕助と七曲町子を中心とした、とても青臭くて熱いロックと青春の物語です。
「野原」が初めてのツアーでライブハウスを回っている最中にゴスロリ少女の七曲町子と出会い、物語が動き出します。
この七曲町子が一癖も二癖もある、今でいうところのメンヘラ少女なんです笑

 

中二病感満載でそれはもう痛いんですが、それぞれのキャラがとても立っていてさすがオーケン!と思わされます。
登場人物はそれぞれ心に闇を抱えているんですが、それでも勢いのいいアップテンポな文体のおかげで暗くならずに読み進めることができます。
ところどころでオーケン独特のセンスが光るギャグもいい味を出しています。

 

すごく読みやすいので10代の人にとっても読みやすく、なおかつ大人世代の人たちも楽しめると思いますよ。
私は昔読んだ時には耕助・町子サイドに感情移入していたものですが、今読み返してみると耕助たちのマネージャーの得さんのほうに感情移入していることに気づかされました。

 

得さんは若いころに夢に破れてしまい、それを耕助たち「野原」に望みをかけているというマネージャーの人です。
借金だらけのどうしようもない人なんですが、いいキャラしてるんですよねー笑

 

町子と出会った耕助たちも、耕助たちと出会った町子も、そして得さんまでも。
それぞれが成長していく物語なので、何歳になって読んでもそれぞれの立場で楽しめる、そんな作品だと思います。

 

まだ若く、夢を持っている人や様々な悩みを抱えている人やこれから先の不安に押しつぶされそうな人も、年齢を重ねるにしたがって昔胸に抱いていた夢を忘れてしまった人やまだ夢をあきらめきれずにいる人も、一度この作品を読んでみることをオススメします。
もしかすると大切な何かが見つかるかもしれません。

 

ロッキン・ホース・バレリーナ (角川文庫)